格闘技談議~自分に向いている格闘技が分からない~

これはよく言われる事ですが、今ある格闘技の種類が多すぎるというところに起因するとも言えます。
「向いている・向いていない」の判断をするにも、まずどのような種類があって、どのような練習体系であるかを調べないといけません。
これを詳細にするには、それなりの知識が必要でしょうし、大変な労力になると考えられます。

そこで、ここでは簡単な種類と選ぶポイントを私なりに書いてみます。
少しでも参考になればと思います。

なお、私も大まかな流れは理解しているつもりですし、ほとんどのものはある程度体験してきたと自負していますが、表面だけしか理解できていない種類のものもあるでしょうし、小さい団体などは把握できていない部分もあるかと思いますので、その辺はある程度考慮して読んで下さい。

1.動機

まず、自分が格闘技をやりたいという動機を明確にすることです。
もちろん、「ケンカに強くなりたい」とか「カッコよさそうだから」とか「なんとなく」という不純(?)な動機でもかまいません。
でも、「なんとなく」などの動機だけだと、とりあえず「どこでも良い」という結論にしかならないと思うので、もう少し詳細な目標を持って始められる方が、種類選択のあやまちが少なくなることと思います。

……で動機ですが、羅列して各々に関して私なりのコメントを入れました。

『ケンカに強くなりたい』

これは、「実戦向き」「護身術を含めた総合系」が一番近いかと思います。
また、武器を利用したものや、逮捕術のように相手を捕らえることを目的としたものも入ると思います。
ただし、この種類の格闘技の門を叩いたからと言って、すぐにケンカが強くなるわけではありません。
ケンカはルールのないスポーツですから、道場に通いながらストリートファイトを並行して行うのが一番の近道でしょう(笑)

ただ、1つ異論を言わせてください。
ケンカはなるべく避けるべきだと思います。もちろん仕掛けられるケンカも含めてです。
なぜかというと、仕掛けられる人はそれなりの「仕掛けて下さいオーラ」を出しているからです。
もちろん、本人が気付いていない場合も多いですが……。

ただ、それをどうしても防げない場合にのみ、格闘技を応用するというスタンスが理想だと思っています。
だから、格闘技を始める動機として「ケンカが強くなりたい」というのは、全然構わないと思いますが、格闘技界に入ったなら、決して辞めないことです。
中途半端で辞めてお山の大将になるパターンが往々にしてあります。

これだと、格闘技(武道)を学んだ意味が全くありません。
全く学んだことのない人よりもっと悪いです。
しかも、中途半端で終わっているので、素人相手だと大丈夫ですが、(格闘技の)上級者には歯がたちません。
格闘技(武道)とは、学べば学ぶほど、本当に強いもの・恐いものが見えてきます。

さらに進むと、ケンカする以前に制圧する能力が高くなってきます。
そして、ケンカ自体がアホらしくなってきます。
動機が「ケンカ」だった人が、一流の格闘家になる場合も多くあります。
その人たちのほとんどはケンカをしなくなっています。

だから、動機が「ケンカ」でも構わないけど、格闘技をするなら絶対に中途半端で終わる事だけは避けて欲しいというのが私の切なる願いです。

『自分や家庭の身を守る為』

これは、護身が中心となりますので、「合気道」「少林寺拳法」「武影信館」(←一応自分の所も入れておかないと(笑))等になると思います。
他にもたくさんありますが、ここでは省略させていただきます。

でも、どの格闘技を学ぶにしても、基本的な体力を身につける必要があると思います。
これは、自分の能力や年齢を理解してもらえる場所が必要だと思います。
なので、「自分に合った体力造りができる」+「護身の理論を備えている」という所であれば大丈夫だと思います。

『これ(格闘技)を本職にしたい』

格闘技を本職にする人でも、色々なパターンがあります。
①試合の報奨金で生活する人。
②専属のスポンサーをつけて、各大会に出場する人。
③自分で道場等を持ち、門下生の指導にあたる人。
④格闘関係のトレーナーなど、格闘界周辺のお世話をする人。
個々について考えてみようと思います。

①②についてですが、要は自分の体で(ちょっと表現が不適切ですが)稼ぐということになります。
なので、基本的にはプロスポーツ(メジャーなとこでは野球・サッカー選手)と同じような位置付けになると思います。
ただ、他のプロ選手に比べると難点が多いのも事実です。

スポーツ選手の一番重要な面は体調管理です。
特に格闘技選手はケガの管理が大変です。
格闘技はスポーツの中でもケガが多い部類に入ると思います。
その中で自己管理能力の重要性が問われます。

次に、高額所得が困難だという事です。
これは、格闘界がまだまだメジャーでない所に起因すると思いますが、それと同時に、例えメジャーになっても野球のように年間試合数がたくさん持てない所にもあります。
なぜ持てないかはお分かりになるでしょうからあえて書きませんが……

最後に、これはどのスポーツ選手にも言えると思いますが、選手生命が短い(一般社会人と比べて)ということもあります。

次に③についてですが、これも難しい面が多いです。
道場を経営しているほとんどの方は本業が別にあり、副業として行っています。
もちろん、私のその一人ですが(笑)

本業も時間的に融通がきく自営の方や、時間に余裕がある公務員系の方が多いようです。
私のように、時間的な拘束が多いSE(システムエンジニア)系の人はあまりいないようです(私の周りでは)。

また、道場経営を本業とし軌道に乗っているのは、過去に実績のある名の通った選手が経営しているとか、現在名の通った選手が育っている所ではないでしょうか。

あとは、完全にスポーツとして経営している所もあります(フィットネス等名前を変えて)。
このように、道場経営を本職とするなら、宣伝効果をいかに上手く行うか&そこにしかない強烈な「売り」がないと、厳しいものがあるのではないかと思います。

最後に④に関してですが、選手の専属トレーナーになるためには(選手自身の信頼も影響するので)やっぱり、①や②の段階を踏んで来た人になるかと思います。
周辺のお手伝いとなると、ちょっと違う職種のような感もありますので、ここでは言及しないようにします。

以上のように、これを本職とするにはまだまだ壁も多いのが現状です。
なので、格闘技の種類を選択するうえでも、メジャーなもの(ボクシング・柔道等)をお勧めします。
ただ、メジャーなものでも、相当の努力&労力が必要となるのは間違いがないと思います。
いま一度、きちんとした目標設定を行い、選択されることを願います。

『体力をつけたい』

これだけでは漠然としていますが、おそらく男性であれば「もっと筋肉をつけたい」とか、女性だったら「ダイエットをしたい」というものが多いのではないでしょうか。
ホントにそれだけなんだったら、格闘技でなくても良いと思います。
近くのスポーツジム等のほうが、よっぽど効果的でしょう。

ただ、単にそれだけではなく、他に得るものが欲しいというのであれば話は別です。
体力+精神力をつけたいという方は、格闘技をお勧めします。

ここで、体力+αの「α」の部分が今度は別の目標になってきますので、格闘技の種別選択はその後ということになります。
基本的にどの格闘技でも、体力向上にはなるはずです。

『趣味として細々とで良いからやりたい』

趣味として細々とやりたいというのであれば、自分(本人)が一番興味があるものが良いかと思います。
グローブを使った戦いに興味があるのなら、ボクシング・キックボクシング・グローブ空手などでしょうし、足技に興味があるのならテコンドーやカポエラなど……
立技(突蹴含む)に興味があるのなら、空手やキックボクシングなど……
寝技・関節技であれば、柔術・柔道など……
総合的なものであれば武影信館(←一応宣伝(^^;)など……

まぁ、ジャンルで選ぶのも一つの手でしょうけども、社会人の方(本業を持っている方)であれば、そちらに影響がないことが一番だと思います。
なので、ある程度融通がきく所が良いと思います。

「どういう所が融通がきくの?」という方も多いでしょう。
はっきり言って、分かりません(笑)

ただ、実際に足を運んで指導者などと話をすることである程度解決するでしょう。
絶対的なノルマ(的なもの)を持っている所や、指導者のポリシーが強くて、そのポリシーが自分と合わないような所は避けるべきです。

結構、社会人を対象とした所も多いのできっと自分に合った所が見つかると思います。
また、サークル的な所で構わないのであれば、融通がききやすいのではないでしょうか。
ただ、技術的なレベル向上を求めるのであれば、ちょっと不足かもしれませんね。

『何か(何でも良いから)スポーツをやりたい』

すごく漠然としていますが……(笑)

(格闘技に限らず)何か運動をやりたいけど、きっかけがない、思い切りがない人も多いことでしょう。
九州(特に福岡)地区の格闘技関連であれば、ある程度私で良い場所(長所・短所等も含めて)をできできると思います。
もし、そのような方がいらっしゃれば、いつでもご連絡下さい。

『武道の奥深さを体感したい』

まぁ、格闘技にしろ他のスポーツにしろ、奥が深いものはたくさんあると思います。
とりあえず、ここでは「格闘技」について書きます。

私も全てを知っているわけではないのですが、「武道の奥の深さ」とはやはり指導者によってかなり違ってくるものだと思います。
ある程度、その格闘技に対する能力を持っている人間でも、“相手に伝えるという行為は別問題”ですし、自分のやっている格闘技の深さを伝えられる人でないと意味がありません。

ただ、武道は自分で実際に体験してから、初めて実感できることがたくさんあります。
もちろん、それも指導者の助言によりさらに鮮明に理解できると思います。

2.体験して

ある程度動機が明確になれば、次に実際に体験してみることです。
ほとんどの道場(ジム)は、お願いすると無料で見学&体験をすることができるはずです(一応確認しましょう)。
短時間の見学&体験だけですべてを理解することは無理でしょうが、少しでもそこの雰囲気に触れることで、ある程度の向き・不向きがわかると思います。

それから、そこの責任者(師範)と実際に話をするとより鮮明になるかと思います。
もちろん、雑談ではなくそこの方針や目標等を明確に理解できる内容でないと意味がありません。
また、その時に自分の目標(意志)を話すことも忘れてはいけません。

3.入門して

最後に入門後の話になりますが、師範がその人(ここでは練習生)の力量を見抜く力があるかを観察することが大事です。
技術的にはしっかりとした物を持っていても、漠然とマニュアルに沿った教え方しかしない所も多いです。

「別にそれでも構わない」と言うのであれば問題ないのですが、「向き・不向き」を判断する必要があるのなら、個人的な長所・短所を判断できる師範を選ぶ方が、上達の近道になると思います。

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