基本理念(防御の章)

通常、「攻撃の章」を先に書くものだとは思いますが、守りの概念がわかっていた方が理解しやすいので、「防御の章」を先に持ってきました。
まず、大事なことを箇条書きにします。
そして、各項目に関して説明していく事にします。

1.体勢

まずは自分の体勢についてですが、重心の位置が非常に重要になります。
文章では詳しく書くのが難しいのですが、重心がズレるとほとんどの場合、どこかに負担がかかります。
右に重心がかかると右足、左に重心がかかると左足……という感じです。

「負担がかかる」という表現をしましたが、この意味は「攻撃にも防御にも使えなくなる」という意味も含んでいます。
実際に動いてみるとわかると思いますが、右に重心がかかった状態で右足で蹴りor受けは難しいですよね。

2.手・足の使い方

次に手と足の使い方ですが、ここでは「角度」が重要なポイントになります。
何の角度?と思われるでしょうが、これは「相手の攻撃に対する受け」の角度です。

自分を10の力を持った人間と仮定しましょう。
相手が10以下の力だったら、正面から受けても問題ないと思いますが、相手が20だったら???
……正面から受けると必ず負けてしまいます。(図1参照)

そこで、相手の攻撃方向の斜め(あるいは横)から受ける事により、自分の力を1/10~それ以上で抑えることが可能になります。(図2参照)

ここで重要なのは、図2の場合、相手の力が死ぬわけではなくて方向が変化するだけです。
このケースだと自分の体の右側になります。
この力を利用して、相手にカウンター攻撃を行うことも可能になります。

3.相対関係

さて、実際に相手を前にした場合の動きについてです。
まず視線は、首の少し下を中心に全体が見えるようにします。
相手の攻撃は、主に手か足(この場合、頭・腰は省きます)になりますので、その根元である肩・太腿を意識します。
なぜ手や足を見てはいけないかというと、手先・足先は運動範囲が広すぎて対処できない(対処するのが困難)からです。

構えに関しては体格・クセなど個人差がありますので、ここでは省略します。

さて、いよいよ相手の攻撃に対する防御ですが、1・2を確実に実行できるものと仮定して話を進めます。
ここでは、相対関係における相手との距離によっての防御の違いについて説明することにします。

●近距離

この場合、相手の膝・肘に注意します。
ケースバイケースですが、基本的には膝・肘の上の部分(太腿・上腕部)を殺すことにより、相手の動きを封じます。

また、近距離は即攻撃・防御が可能な距離なので、先手を打つことが大事になってきます。
さらに、組合いに移行する可能性も高いために、寝技の体勢にも気を配ることが重要になります。

●中距離

この場合、突きの距離を意味します。
この距離での相手の攻撃として、「踏み込んで肘・膝」「突き」「下がって(重心を後ろにしての)蹴り」などが考えられます。
他にもありますが、書ききれませんので割愛します。
基本的に以下の項目に注意しましょう。

◆防御は、前後だけでなく相手の出ている足の方向に動くことも考えておく。
◆踏み込んで来た場合、カウンターが有効になってくるので考慮しておく。
また、両手足はいつでも動ける状態にしておく。

●遠距離

この場合、踏み込まないと攻撃できない距離を指します。
自分もそうですが、相手も移動しないと攻撃できる状態にならないため、少し手を前に出すような感じで距離感をつかむのも良いと思います。
また、跳び蹴りや浴せ蹴りなどの突発的な攻撃にも、対応できるようにしておきましょう。

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