「護身の理論」

皆さんは、護身に興味がありますか?

一口に「護身」と言ってもとても幅が広くて分かりにくいですよね。

そこで、「護身の理論」を私なりに書いてみます。

勿論、これも個人的意見を含んでいますので、その辺は御了承願います。

 

・実戦

まず、護身術と言っても卓上の理論で終わってしまっては宝の持ち腐れですよね。だから、護身を学ぶからには、必ず「延長線上には実戦に即した体系」であるというのが私の持論です。

例えば、護身術を学んだ人が街角で喧嘩に遭遇したときに、相手に

「すみません。右腕をつかんでくれますか?」

とか、

「そこを持たれた場合は習っていないので持たないで下さい」

とか、

「ちょっと力が強すぎますから、もうちょっとやさしくして下さい」

とか言えますか?(笑)

これだと、とても実践向きではないですよね。

勿論、基本的な事を最初に学ぶ事が必要ですので、最初は限定(決められた場所を攻撃された場合の対処)から始まるのは当然の事ですが、最後まで、限定で終わってしまうと上記のような非実戦的な護身術になりかねません。

その辺を頭にいれて、学ぶことが大事ではないかと思います。

 

・状況判断

次に、状況判断についてです。

何の状況判断かと言うと「護身術を使う場面での状況」のことです。

普段、滅多に起こらない場面ですので、パニック状態で必要以上に焦り、状況判断がきちんと出来ない人が殆どのようです。(まぁ、好んでこういう場面に持っていく輩もいるようですが、私はそういう人は好みません。)

何が出来ないかと言うと、普段慣れていないので的確な動作が行えず、動揺してしまうパターンです。

これは、訓練にもよるでしょうが、もう一つは自信を持つことも大事です。ある程度技術力が身につけば、自然と状況判断も出来るようになります。

初心者の場合は、逃げるのが一番ですけど、これも状況判断が出来ていないと意味がないもので、捕まえられてしまうでしょう。なので、この場合も逃げる為の前座(?)を行い、状況により速やかに逃走するように心掛けることも重要です。

もっと具体的に対処(&状況判断)を書きたいのですが、ケースバイケースでもあるし、門外秘(そんな大層なものでもないけど)の部分もありますので、これくらいで勘弁してください(笑)

 

・自分(&相手)の体の動きを理解する

護身術を使う場面というのは、9割9分、人間相手だと思います。

まぁ、動物や人間以外のものを相手にする人もいるでしょうが、今回は人間に限定させて頂きます。

相手が人間だと言うことは、“人間の体の原理を理解”しておくと、非常に効果的です。

ここで全てを書く訳にはいきませんが、例えば

「ものを掴(つか)む為に常に必要な指は?」

という質問にあなたはどう答えますか?

答えは「親指」です。

5本の指を端から順に1本づつ使わずに物を持ってみると分かると思いますが、「親指」がないときちんと掴めない事が分かると思います。なので、まず相手の親指を使えないような方向に持って行くことが必要になります。

まぁ、これも一例で、状況に応じて変化するし、他にも「ここを固定すると、相手が動けなくなる」とか、「ここの関節はこれ以上曲がらない」とか、「この動きを利用して相手に技をかける」云々・・・。

と言うように力では解決出来ないことが、この「人間の体の動きを理解する」という事で殆ど解決されます。

勿論、これを実戦に役立てる為には、このような紙面では無理ですが、そういう事柄があるということだけ、ここで理解して頂けると良いと思います。

 

・自分より大きい(力が強い)相手に対して

ここが、女性や年配・非力(だと思っている人)の方の一番知りたい所だと思います。

ただ、詳細を書くにはあまりにも長くなるし、文章だけでは伝わらない面も多いので、概要だけを書こうと思います。

まず、当たり前の事でしょうが、自分が有利な体勢を作ると言うことです。

勿論、口で言うのは簡単ですが、実際に実行するのは非常に困難です。

勿論、経験も必要だし、言葉では説明出来ない事も多いので、一概には言えませんが、まずその為には“自分の領域で勝負する”ことが大事です。

「自分の領域と言われても分からない」・・・とおっしゃる人の為に。

「自分の領域」とは自分の立ち位置と相手の立ち位置の中間に線を引いたとして、その線より自分寄りの領域を言います。もちろん、自分に近ければ近い程良いです。

次に、相手の力が入らない体勢に移行します。

これも非常に難しいと思いますが、要は相手も攻撃をしようと試みる訳ですよね。(攻撃を仕掛けないのであれば何もしなくてもOKなので)となると、、、、。

攻撃体勢→動いている→動く方向に力を入れる

という流れですね。

その「相手が力を入れる方向」がここでは重要になってきます。

もちろん、相手の力に反発する同じ力を出す事は不可能ですよね。(前提として、自分より力が強い相手としていますので)

だから、「方向を微妙に変化させながら、流れに逆らわずに相手の体勢(バランス)を崩す」という処置が必要です。

この詳細は文章では書けません。ゴメンナサイ。

ここまでの流れが完了すれば、次に「決め」ですが、これも力で対抗するのは無理ですので、決める形と相手にかける力の方向が非常に重要になってきます。

合気道の原理や、少林寺拳法の柔法、又は警察の方がされている逮捕術を応用しなければいけません。

気孔法にも、若干共通する所はあると思います。

こういう(これだけじゃ何のこっちゃ分からんでしょうが)一連の流れを素早く行う事で、自分より大きい(力のある)人間に対処することが可能になります。

以上、色々な事を書きましたが、護身の一番重要な所は「守る術」ですから「実践」重視だと思っています。

ただ、実践に使う(使える)までにはかなり時間がかかると思います。

表面だけ理解出来て「護身術を習得した」と思う方達は、実際の場面になると100回のうちに1回成功すれば良いくらいの考えで良いと思います。

もちろん、何もしていない人よりマシですけど、、、。

これを2年・3年とやっていくうちに100回に1回が10~15回。

5~6年くらいで、100回のうち半分くらいが護身が役に立つようになっていくと思います。

あくまでも、この数値は統計をとった訳ではないので概算ですけど(笑)

 

→「立技と寝技」

→「八百長について」

→「格闘技、最近の傾向」(2002.08.03追加)

→団体概要

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